皆様、こんにちは!
DIY解放区管理人のぼんたでございます。
本日は、私の工作グッズの中で最も使用頻度の高い電動工具ミニルーター(本体)のご紹介をしようと思います。
先端ビットについては別途記事を作成しましたので、こちらの記事をご参照ください。
ミニルーターとは?
ミニルーターとは、太いペンの形をした電動工具の1つです。
『先端ビット』という軸を取り付けて、内蔵モーターを高速回転させることで、切削・切断・研磨・穴あけなどさまざまな工作ができます。
正直、サイズの大きな工作には全く向きませんが、ミニサイズの工作には大変便利で欠かすことができません。
作業効率が手動の数倍以上になる上に、指先感覚で扱えるということもあり、「何か工作をしたいな。」という時に、気持ちを高ぶらせてくれる工具です。別の呼び方で、ミニリューターとかハンドグラインダーとも呼ばれています。
ミニルーターでできること
上述のように、ミニルーターは先端ビットを交換することで、多種多様な工作をすることができます。
↓のイラストは、ほんの1例です。
他にも爪の手入れ(ネイル)や、木工工芸など幅広い使用用途があります。
購入してから最初のうちは、「機械を操作している」というちょっとした違和感がありますが、使い込んでいくにつれて徐々に慣れてきます。やがて熟練度があがってくると、指と同じような感覚での使用が可能になります。
ミニルーターの価格ってどれくらい?
ミニルーターの価格は、ピンからキリまでとても大きな差があります。
最安モデルだと、ダイソーで手に入る600円位ですが、歯医者さんや歯科技工士さんが使っているようなプロ用は10万円を超えます。
ワタクシも、最初はダイソーの格安600円ミニルーターから始めました。その後、いろいろなミニルーターを経て、20,000円のモデルに落ち着いております。
様々な機種を使ってみて思ったことですが、ミニルーターの性能は、価格にモロに比例します。身も蓋もない答えですが、安いものは使い勝手に難があり、高いものはそれに応じた性能があると感じております。
ミニルーターを購入する時のチェックポイント
ネットを見ると、『おすすめミニルーター10選!』とか『売れ筋ミニルーターラインナップ15機種!』とか販売っ気全開のサイトはたくさんあるのですが、正直ミニルーターを使ったことがないような方が作ったであろうHPが星の数程あります。
なので、色々なミニルーターを使ってきたワタクシとしては、それらの説明文をあてにしておりません。というのも、良い事ばかり書いていて、肝心の欠点の紹介が抜けているからです。
そんな失敗も踏まえて、これからミニルーターを導入しようと考えている同士の方に向けて、この記事でミニルーターの長所・短所をしっかりお伝えできたらいいなと思います。
では、まずは使ってきたミニルーターで『こんなところがダメだった!』というポイントからご紹介します。
こんなミニルーターは、要注意。
トルクが弱い。
電池式のミニルーターだけでなく、いわゆる安いミニルーターの大半は、このパワー不足に直面します。
ガラス細工や、金属研磨などの負荷がほとんど掛からない作業は大丈夫なのですが、『削る・穴を開ける・切断する』といったミニルーター工作のメイン動作が制限されるので、むっちゃイライラしてしまいます。
軸の精度が甘い(軸ブレして音がうるさい)。
これも、安いミニルーターにはつきものです。見た目上はあまり軸ブレしていないように見えても、モーター音がブウウウン!!と五月蝿いので作業が疲れてしまいがちです。
速度調整できるミニルーターなら、低速回転にすれば騒音は抑えられますがパワーは落ちます。逆に、軸ブレしているミニルーターで高速回転にすると、ものすごい大音量になります。
重心・持ち手・ビット先端までの距離など、設計が悪い。
これらダメダメポイントは、どれもミニルーターを導入する上で、超重要な検討項目です。
このあたりがマイナス点の大きいミニルーターに当たってしまうと、いずれ「なんか、このミニルーター、嫌だな・・」ってなってしまい、それ以降は使わなくなってしまいます。
なんとももったいない話です。
では次に、上ほどではない「この点くらいなら妥協できるよ」という点を紹介していきます。
ミニルーター導入時の「妥協ポイント」
全項目100点満点のミニルーターならそれに越したことはないですが、予算の都合もあるでしょう。
ミニルーターを選ぶ上で、「予算の都合上、この点なら妥協しても後悔しにくい」という点をお伝えします。
ミニルーター本体のビット対応規格が2.35mmのみでもOK。
一般的に、先端ビットの規格は、2.35 / 3.0 /3.2 mm の3種類あります。
あと、工作中に異なるビットサイズを何度も交換するのはけっこう面倒です。可能ならば、最初から2.35mm軸で統一して揃えていくのが良いです。
次に、妥協してもよい2つ目のポイントは、高速回転数です。
高速回転数は、25000rpmで十分。
ミニルーター購入時に製品スペックを調べていると必ず目につくのが『回転数』。
一見すると、「このミニルーターは、回転数が35000回転もあるから良いミニルーターだな。」みたいに思いがちですが、そうでもありません。
回転数は高速になるにつれてパワーアップしますが、それに比例して騒音・軸ブレも大きくなります。特に、円盤系のブラシなどは30000rpmとかだとブレ幅もかなり大きくなるので危険です。
そのため、最高回転数は25000rpm程度でも全然問題ないとお考え下さい。(後述しますが、実は大切なのは低回転域です。)
ここまでが、ミニルーターと予算との妥協ポイントです。
ここからは、『買って良かった』と思えたミニルーターの特徴をお話します。
『このミニルーター、買って良かった』っていう特徴
トルク(パワー)が強い。
ミニルーター選びで最も重要視していただきたいのは、『トルク(パワー)』です。
どんなに精密性があっても、どんなに高速回転数が高くても、トルク不足のミニルーターは作業中に止まってしまい、用途を果たせません。
安価なミニルーターの場合、●Ncmのようなトルクの強さを数値化した表記はありません。手間は掛かりますが、ネット上の様々なレビューを参考に探しましょう。
尚、「パワフルです!」という誰でも使いそうな言葉ではなく、「トルクが強い」という専門的な表現を使っているレビューは、少し信用性が高い傾向にあります。
では次に、買って良かった特徴の2つ目です。
低速回転(3000rpm以下)が出来ること。
実は、この低速回転の機能があるかないかは、ミニルーター選びをする上でとても重要となります。
というのも、ミニルーターって何でもかんでも高速回転すればいいってもんじゃありません。やはり、丁寧に作業したい箇所は低速回転でゆっくり丁寧に削りたいものです。普通のカッターナイフ工作とかと同じですね。
そうなんです。こんなに最低回転数が高いと『落ち着いた丁寧な工作』どころではありません。ミスが許されない細かい彫り込みとかに限ってミニルーターを滑らせて作品を傷付けてしまったりします。
3000rpm以下が目安ですが、できるならば最低回転数0rpm〜 っていう表記製品なら間違いありません。
で、買って良かった3つ目の特徴が、『軸ブレが少ない機種』であることです。
軸ブレがないことは、とても大切
軸ブレの少ない機種だと非常に快適なミニルーター工作を楽しむことができます。
実際にミニルーターを比較使用しているとよく分かるのですが、五月蝿いとか、振動がどーのこーのだけでなく、削る力に差があります。
値段もそこそこするミニルーターになると、軸ブレがほとんどない精密機種が増えてくるので、ぜひご検討ください。
ミニルーターの耐久性
次に、ミニルーターのの耐久性についてお話します。下記の写真をご覧ください。
↑こちらのミニルーターは、ワタクシの愛機アルゴファイル/スターライトセットのハンドピースなのですが、5年以上愛用していても劣化の気配が一切しません。最も負荷のかかるグリップ部分がステンレスの金属製でできているためです。これは買って本当に良かった点です。
この恩恵は、上記ミニルーターから初デビューした人では気づきません。普通のプラスチック製ミニルーターだと、↓の写真のような状態になる場合があります。
誰しも購入時は、「このミニルーター、ここの部分が壊れるんだろうな・・」という気持ちで購入しません。期待に胸を膨らませて『ミニルーターの購入』に踏み切るのですが、プラスチック製グリップのミニルーターは、耐久性が低いということを予めご留意下さい。
定格使用時間
プロクソン社のミニルーター等は、定格使用時間30分などの縛りがありますが、上位ランクのミニルーターになるとこの縛りがありません。アルゴファイル製も、もちろん縛り無し。
フットペダル機能付。(超便利。)
最も買ってよかった!と思える機能のひとつに、『フットペダル』があります。
フットペダルがあることで、今まで手元で何度も何度もミニルーターのスイッチをON・OFFしていた煩わしさからサヨナラすることができます。
どんなに静粛性の高いミニルーターでも、ずーっと回転させっぱなしだとやはり集中力が続かないもの。削っては、削れ具合をゆっくり確認し、また削る・・この繰り返しに『フットペダル』は欠かすことができない大変便利なアイテムです。
フットペダルは、実勢価格2万円以上の機種で搭載されている場合がほとんどです。残念ながら安価なミニルーターにはフットペダルがないのですが、汎用フットペダルを流用してフットペダル化することは可能です。
↓オジデン 汎用フットペダル
ここまでが、ミニルーター選びについてのチェック事項でした。ここからは、ワタクシが使ってきたミニルーターについてお話していきます。
※モロに個人の感想です。偏りも結構あると思いますので、ご了承下さい。
1台目 ダイソー製ミニルーター
私が知る限り、最安値のミニルーターです。
先端ビットは、市販で最もポピュラーな2.35mm軸対応。
軸ブレ感がすごいことに加え、パワーが極めて貧弱です。乾電池1.5V×2=3Vなので仕方がないのですが、何かを削る・穴を開けるという作業はてんでダメ。バルサ材などの相当柔らかい木材位しか加工できません。
あまり負荷が掛からない「ガラスコップの文字入れ」などには使用できます。
ビット交換は、抜き差しだけでできるシンプル構造。その分、固定力も弱いです。
2台目 プロクソン製 MM50
回転数:8,000~20,000/min
重量:250g
小型強力モーター搭載のプロクソン社製ミニルーター。独特なカラーリングがDIY意欲を掻き立ててくれます。
ネットの意見を参考に散々悩みましたが、「速度調整機能付き」という男心をくすぶられ、6500円程度で購入しました。
で、実際に買って使った感想ですが・・・
・一番低速でも8,000回転/minあるので、速過ぎる。
・低速トルクが弱すぎる。
・中速〜高速回転時にうるさい。
・持ち手部分が太く、後ろが重たいので、とても持ちにくい。
なにより音が五月蝿くて、スイッチを入れている間は落ち着きません。また連続使用時間15分なので、休みの日に没頭して取り組みたい時に冷却待ち時間がストレスです。
3台目 浦和工業 マイクログラインダーHD20A
回転数3,500~20,000/min
重量:110g(ハンドピース部)
浦和工業のミニルーター(浦和工業はマイクログラインダーと呼んでいる)は、実勢10,000円の価格帯では他に類をみない精密な軸精度を誇ります。
ハンドピースと本体は分離型タイプで、正逆回転機能 / 速度調整機能 を搭載しております。フットペダルがあればいうことなしの機能性です。
このミニルーター最大の特徴は、「回転音がとにかく静か」という点です。他の1万円以下のミニルーターと比べても、頭3つ分くらい飛びぬけた静音仕様です。
弱点は、全域でパワーがとても弱いということです。お世辞にも「ちょっと弱い」ではなくて、「とても弱い」のレベルです。
とはいえ、プラモデルの加工や今流行りの『スイーツデコ』の主原料、樹脂粘土やUVレジンといった柔らかいプラスチック・粘土素材ならば、使用可能です。
ネイルとかにも問題なく使用できます。嫁さん曰はく、「力は強くないけど、軸精度が飛びぬけて高いから指先感覚で使える。」とのことで、借りパクされました。
この「指先感覚で使える」というのは、とても大事です。パワーは弱いですが、上記のような小物作りがメインの方にはぴったりのミニルーターだと思います。
※ハンドピースのグリップ部(プラスチック製)にヒビが入ったのはマイナス点です。改良品を開発するなら、ここを金属にして欲しいところです。
4台目 ドレメルハイスピードロータリーツール4000
最初に述べますが、このドレメルハイスピードロータリーツール4000(以下、ドレメル)の購入は、大失敗でした。
回転数5,000~32,000/min
重量:533g
何が大失敗だったかというと、このドレメルは購入前の想像より遥かにゴツイ・重いマシンだったことです。規格外すぎて、もはや卓上用ミニルーターとは呼べません。
指でペン型に持つのは、重すぎて不可能です。で、同梱のアタッチメントで、ごついハンドピースの先にミニハンドピースを取付けてみるも、軸ブレが酷すぎて全く使い物になりませんでした。
ジュラルミン(アルミニウムの1種)の塊を削って、ルアーの金型を作りたかったんだ。
結果は大失敗。
アルミなどの金属切削加工にはパワーを発揮するのですが、片手ではあまりに重すぎて、小物加工に全然向いていなかったのです。
5台目 アルゴファイル マイクロモーターシステム スターライトセット ブラック
ミニルーター迷子に陥っていたワタクシですが、予算20000円という特別補正予算を組み、ついに終生の友となるであろうミニルーターに出会いました。
そのミニルーターは、『アルゴファイル マイクロモーターシステム スターライトセット ブラック 』という、とてつもなく長ったらしい名前の製品です。
購入から5年近く使用しておりますが、今まで出会ったミニルーターの中で、ぶっちぎりに最高のミニルーターです。
5〜10万円も投資すれば、更に上級モデルのミニルーターも販売されているのですが、趣味の範囲ならば、これ以上高級なミニルーターはもう必要ないと思っております。
当初の希望、ジュラルミンを削って、ルアーの金型を作る計画も達成できました。
今までのミニルーター達が子どものおもちゃに思えてしまうくらい、このアルゴファイルのミニルーターはスピード・パワー・機能性において超高性能でした。
このアルゴファイルミニルーターの細かい点は、別途記事を作っているので、宜しければそちらもご覧ください。
素晴らしい点がたくさんあるのですが、敢えてひとつだけ絞るとすれば、『低速時のトルクがモリモリしている』という点が一番のお気に入りポイントです。
やっぱり気持ちよく削れるという点が、ミニルーターで一番大事だと思います。
以上、後半はアルゴファイル押しの記事になっちゃいましたが、ミニルーターという電動工具についてのご紹介でした。
ビットの使い分けページも別途作りましたので紹介しておきます。
釣り針製作は少年たちの憧れ。ミニルーターがあれば製作可能。
ミニルーターを使ったタコ釣り道具、タコジグの作り方を大公開。目安100円で作れます。