皆様、こんにちは!
DIY解放区管理人のぼんたでございます。
先日よりアオリイカのヤエン釣りの魅力についてご紹介してきました。
本日はもっとヤエン釣りの奥深さを知って頂くために、自作ヤエンの作り方をご紹介してみたいと思います。
市販品のヤエンで満足できない・何でも自作してみたいっていう方は、ぜひチャレンジしてみましょう。
※2021年7月5日追記
ヤエン自作の動画をYOUTUBEにUPしました。
安くて軽い!自作ヤエンの紹介
まずは、市販品と自作品の違いを見てみましょう。
自作ヤエンは超軽量に仕上げることも出来るので、違和感なくアオリイカに到達できる強みがあります。
材料と道具を揃えよう。
用意するもの
・ステンレスバネ線0.8mm、0.6mm
・ガン玉
・ラジオペンチ
・丸ペンチ
・ミニルーター
・ダイヤ円盤ビット/マンドレル軸
・半田ごて
・こて置き台
・濡れスポンジ
・ステンレス用ハンダ/フラックス
・銅線(太さ0.2mm)
・ステンレスパイプ(内径1.0mm)
・クリップ作業台
ヤエンの作り方・工程
まずは、ヤエンの作り方・工程を見ていきましょう。
今回のスタンダードなヤエンは、全部で3つの工程で完成します。
①ヤエン各パーツの製作
②ヤエン各パーツのはんだ付け
③針の成形、オモリの調整
初心者の方にはハンダ付けって難しそうなイメージがありますが、電子基盤のようにデリケートなハンダ付けもないので、道具とコツさえ分かれば簡単にマスター出来ます。
本記事でハンダ技術も上達して、自作釣具の種類を広げていきましょう。
当ブログでは、針も自作します。
本ブログでは、針もゼロから自作することをおすすめしております。
釣り針(管付針)の自作記事も併せてどうぞ。
針から自作するメリット
メリット① サビに強い針先が作れる。
自作に使うステンレスバネ線は、SUS304という非常に錆びに強い素材です。
「絶対に錆びません」というと語弊があるかもしれませんが、自作した針を海で使用・ノーメンテでも全然錆びません。
過去に、ヤエン手作りパーツとして市販されていたクローム(鉄)製針を使ったら、1シーズンでサビサビになってしまいました。
メリット② 軽い針先が作れる。
アオリイカにヤエンを掛けるには、軽量な針先が不可欠です。
釣具屋の市販針先は、大きい・太い・重いと三拍子揃ってしまっているので、針先の跳ね上がりが弱いです。
また、総合的にヤエン全体の自重が重くなるので、イカが違和感を感じてアジを離しやすくなってしまいます。
軽量化しても、秋のアオリイカサイズには十分な強度がありますので、ご安心下さい。
メリット③ 100円未満で作れる。
市販ヤエンが800〜2,000円くらいなのに対し、自作ヤエンは50〜100円で作れます。
工具の購入費用は必要ですが、一度揃えてしまえば他の釣具製作や工作にも使えるので、総合的にお得です。
自分自身のスキル上達にもなりますよ。
メリット④ 自分だけのオリジナルヤエンが作れる。
自作は、やはりこれが一番楽しいですね。
針の位置・形状・重心など全て自由です。
今回ご紹介するスタンダード式以外にも、二股式・跳ね上げ式・2点支点・3点支点と何でも作れます。
跳ね上げ式ヤエンはこちらの記事をどうぞ。詳細にまとめております。
自作ヤエンの設計図
今回、自作する各パーツの寸法を載せておきます。
支柱の位置など、細かいパーツは各自お好みで調整してください。
針先部分の製作
針を作るためのステンレスバネ線は、太さ0.6mmを使用。
ヤエン1個につき長さ3㎝ずつ切断し、8~10本作ります。
マーキング箇所を切断していきます。
0.8mmまでの太さならラジオペンチの切断機能で十分です。
ミニルーターのダイヤ円盤ビットの側面を使い、ステンレスバネ線の先端を尖らせます。
電動工具「ミニルーター」に興味がある方は、こちらの記事をご参照下さい。
ミニルーター先端ビット
あっという間に、針の部分が出来ました。
続いて不要な長さを切断します。
針先から2cmのところで切断しましょう。
慣れたら10本くらいまとめてマジックで墨書きしていけば、効率が良いです。
たくさん出来ました。曲げずにストレートの状態で置いておきます。
ハンダ付け後に曲げて成形します。
針先が出来たら、次は糸掛け支柱の製作です。
支柱部分を作る
支柱の糸掛け形状にこれといった決まりはありません。
クリップ形状や円形などワンタッチ着脱できれば何でもオッケーです。
ルールとして、糸掛けの一番トップの高さは2.4cm前後に設計しましょう。
ステンレスバネ線0.8mmを、長さ6cmくらいでカット。
カットが出来たら、糸掛部分を成形します。端の箇所3mm程度をラジオペンチで掴み、90度に4回曲げて成形します。
糸掛トップは、丸ペンチを使いましょう。
糸掛トップ以外は、ラジオペンチで仕上げます。
糸掛トップから2.4cmの部分で支柱を曲げます。
曲げた後、0.5〜1.0cmだけ残してカットしたら、糸掛け部分完成です。
骨組みメイン部分を作る
先程の支柱部分と同じ要領で作れば簡単です。
こちらは丸型タイプの糸掛にしてみました。糸掛トップの高さは3.0cmで曲げましょう。
その後、全長が20cmになる様に不要部分をカットしたら、いよいよハンダ付けです。
ステンレス素材のハンダ付け
ステンレス素材には酸化被膜というバリアがあるため、そのままハンダ付けしようとしても付かきません。
一見厄介な酸化被膜バリアですが、「銅線巻き」・「フラックス」という2つの技を使うことで、簡単にステンレスのハンダ付けができるようになります。
支柱と本体を銅線巻き固定する。
銅線はハンダがとても乗りやすい良質素材です。ハンダ付けと針固定の役割を兼ねて、強めに巻きつけましょう。
巻き付ける銅線の太さは、0.19〜0.2mmが「扱いやすさ・固定力・仕上り」の面で一番おすすめです。
・写真は0.10mmの極細銅線。仕上がりは美しいですが、テンション掛けて巻くとすぐ千切れてしまうので、作業性が悪いです。今回0.19mm銅線のストックがないので代用中。
・ホームセンターの0.30mm銅線は太すぎて、見た目がずんぐりしてしまいます。
支柱の逆サイドにも銅線を少し巻き、しっかり固定します。
こうする事でハンダがよく乗り、支柱強度がUPします。
ヤエンの固定・フラックスの塗布
支柱の銅線巻きが終わったら、いよいよハンダ付けの工程に入ります。
クリップアームスタンドにヤエンをセットし、銅線を巻いた箇所にフラックスを1滴塗布しましょう。
フラックスとは、早い話が強酸です。
ステンレス表面の酸化被膜(バリアーみたいなもの)を取り除く役割があり、ステンレスのハンダ付けの必需品です。
フラックスはたっぷり塗る必要はなく、ほんのちょっと塗布するだけで十分です。
作業机の天板をフラックス酸で傷めないように、ダンボールの切れ端とか敷いて養生しておくと良いです。
ハンダ付け開始!
熱した半田ごてを、フラックスを塗った銅線部分にあてがいましょう。
先程塗布したフラックスがジュワジュワと蒸発します。
10秒くらい熱しましょう。
ステンレス線がしっかり熱くなると、ハンダを乗せるた途端、すーっと溶けてくれます。
ちゃんとハンダが溶けて乗りました。
黒ずみができてしまっておりますが、水洗いすると綺麗に落ちますのでご安心下さい。
ハンダ付けが済んだら、ヤエンを水道水でしっかりとすすぎ、フラックス(強酸)を洗い落とします。
これを怠ると、さすがのステンレスも腐食してしまいますので必ず行いましょう。
針根元のハンダ付け
最初に作った針とヤエンを、銅線で巻きつけます。
銅線の巻き付け・針の長さが不揃いでも釣果に影響はありません。
こちらも、フラックス→ハンダごてで加熱→はんだ流し込み→水道水洗浄を行います。
針2箇所のハンダ付けができました。
ハンダ付けするときに、毛細管現象で針と針の間にハンダが流れ込んでしまいますが、問題ありません。
ヤエン針の成型
ヤエン針を成形には、ステンレスパイプが大活躍します。
内径は1.0mm。針を起こす時の神アイテムです。
2箇所の針山のうち、写真右側の針山にステンレスパイプを差し込みます。
奥まで差した状態で、グイっと起こします。
針先が起きました。
どんどん針先を起こしていきます。
その後、丸ペンチを使い成形。指に刺さらないように注意!
丸ペンチだけだとうまくいかない時は、指も使って成形していきましょう。
全体の針角度良し!
オモリを取り付けします。
後付けできるガン玉タイプが便利です。
ペンチでグッと挟み込んで取り付け完了です。
重さチェック
市販ヤエン8.0g | 自作ヤエン4.3g |
大幅な軽量化に成功しました。
重心バランステスト
いよいよ最後の仕上げです。
糸掛けに糸を通して、重心バランスのチェックをしましょう。
参考に、市販ヤエンの角度はこれくらい。
こちら自作ヤエン。
ガン玉を移動させて、いい感じに仕上がりました。針先が水平より少し上向になる位がベストです。
あとは、糸掛けにナイロン糸を通して実際にスムーズに滑るかを見ておきましょう。
勾配を付けてナイロン糸を張り、スムーズに滑っていけば成功です。
さあ、自作ヤエンを引っ提げて、ヤエン釣りに出撃しましょう。
ヤエンをいくつも試作してフィールドテストをしていると、「このヤエン、よく釣れるな」という発見があります。それこそ爆釣も。
そんな爆釣ヤエンのプロトタイプは、あなたの設計した大切な一本です。根掛かりによるロスト前に必ず寸法をコピーしておきましょう。
次回は、記事中にもチラッと出てきた跳ね上げ式ヤエンのご紹介です。
作成まで今しばらくお待ちください。
※記事できました!
ヤエン自作に使う材料・道具のご紹介
ここまで長文にお付き合い頂きありがとうございました。
最後に、本記事で紹介した道具をご紹介させていただきます。
ヤエン製作にご利用ください。
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ヤエンの自作では0.6mmと0.8mmを購入・使用します。
好みによっては、針を0.6mm、胴体を1.0mmで作ってもOKです。
購入前に必ず太さを確認しましょう。
価格・性能もピンキリのミニルーター。
ヤエン製作ではダイヤ円盤ビットを使った針作りの出番だけなので、ぶっちゃけ高機能のミニルーターは不要ですが、せっかくなのでワタクシ所有の一押しモデル載せておきます。
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ダイヤ円盤の側面にダイヤモンド砥粒が接着されており、針金を斜めにあてがう事で鋭利な針先が作れます。
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太さ0.2mmがスリムで強度もあり、ワタクシのおすすめです。
銅線に限らずエナメル線も(ハンダで被覆を溶かすので)使えます。
尚、記事中で急遽買い足した0.1mmのヤエン専用品は細すぎて、正直扱いにくかったです。
ハンダごては30W以上あるとタコジグ制作などでも活躍します。
単品で買い揃えるよりセット品だと割安。
ハンダとフラックスも必ずステンレス用にしましょう。
ハンダ付け後は水ですすぎをしっかり行うことが大切です。
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ケイバ社製ラジオペンチ。本記事でも使用しているアイテムです。
造りがしっかりしており、普通のペンチでは苦手な先端部分もよじれずしっかり掴めます。
可動部に真鍮が組み込まれ、超高耐久がウリ。
好みによりますが、バネは付いていないモデルなので、しっとりとした使い心地です。
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ヤエン製作は普通の基板ハンダ付けと違って空中でハンダ付けする必要があります。
必然的にハンダごてとハンダで両手が埋まってしまうので、この様なクリップ台があると快適に作業できます。
以上、アイテム紹介でした。
お気に入りのヤエン作りにお役立てください。
※2019.11.2追記
自作ヤエンで早速釣りました。
シンプルヤエン 成功率57%(獲得4匹/ヤエン投入7回)
アオリの足元にしっかりフッキング
別記事で作成中の跳ね上げ式ヤエン 成功率62%(獲得5匹/ヤエン投入8回)
シーズン終盤でのフィールドテストの為、アタリ数自体がとても少なかったのが悔やまれますが、自作ヤエンとしては大満足の獲得率となりました。
※2021年7月5日追記
ヤエン自作の動画をYOUTUBEにUPしました。15分程の長い動画ですが、ご参照下さい。